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CRMは「有名だから」で選ぶものではない

CRMを導入しようとすると、多くの企業がまず有名なサービスを検討します。

Salesforce、HubSpot、Zoho CRM、kintone、Microsoft Dynamics 365 Salesなどは、CRMや営業管理の分野でよく名前が挙がる代表的なサービスです。

これらのSaaS型CRMは、クラウド上ですぐに利用でき、サーバー管理が不要で、アップデートもサービス提供側が行ってくれます。
そのため、社内に情報システム担当者がいない中小企業にとっても、導入しやすい選択肢です。

一方で、CRMにはもう一つの選択肢があります。

それが、OSS版VtigerCRMのようなオープンソースCRMです。

VtigerCRMの公式サイトでは、Community Editionを無料・オープンソースのCRMとして紹介しており、自社に合わせてCRMを構築・拡張できる選択肢として案内しています。(Vtiger)

つまり、CRM選定では、単に「どのSaaSを選ぶか」だけでなく、SaaS型CRMにするのか、OSS CRMを活用するのかという視点も必要です。

本記事では、VtigerCRMと主要SaaS CRMの違いを、中小企業向けに整理します。

VtigerCRMとは何か

VtigerCRMは、営業管理、顧客管理、問い合わせ管理、見積・請求管理、活動履歴管理などを行うためのCRMです。

特にOSS版VtigerCRMは、オープンソースCRMとして利用できる点が大きな特徴です。

SaaS型CRMのように、サービス提供会社のクラウド上で利用するだけでなく、自社サーバーや自社契約のクラウド環境に構築して利用できます。

OSS版VtigerCRMの特徴は、主に以下です。

  • ライセンス費を抑えやすい
  • ユーザー数が増えてもSaaS型のようなユーザー課金になりにくい
  • 自社業務に合わせてカスタマイズしやすい
  • データを自社側で管理しやすい
  • ベンダーロックインを避けやすい
  • サーバー・保守・セキュリティ管理が必要

つまり、VtigerCRMは「すぐに使える手軽なSaaS」というより、自社に合ったCRM基盤を作り、長く運用していくための選択肢と考えると分かりやすいです。

主要SaaS CRMとは何か

主要SaaS CRMには、次のようなサービスがあります。

Salesforce

Salesforceは、世界的に利用されている代表的なCRMです。
営業、マーケティング、カスタマーサポート、AI、自動化、データ活用など、幅広い機能を持つプラットフォームです。

日本向けの公式価格ページでは、Salesforce Starterがマーケティング・営業・サービス向けのCRMスイートとして、ユーザー1人あたり月額3,000円から案内されています。(Salesforce)

HubSpot CRM

HubSpotは、無料CRMを入口に、マーケティング、営業、サービス、コンテンツ管理などを統合できるSaaS型プラットフォームです。

公式サイトでは、HubSpot CRMについて「100% free」「forever」と案内されており、無料で始められるCRMとして紹介されています。(hubspot.com)
また、HubSpotのCRM製品ページでは、無料プランにコンタクト管理、取引パイプライン、CRMインポート、レポートダッシュボードなどが含まれると説明されています。(hubspot.com)

Zoho CRM

Zoho CRMは、比較的低価格で始めやすいCRMとして知られています。

日本向け公式ページでは、初期費用やオプション費用ゼロ、月額1,680円から利用開始できると案内されています。(Zoho)
また、グローバル公式ページでは、3ユーザーまで無料で利用できるプランがあることも案内されています。(Zoho)

kintone

kintoneは、厳密にはCRM専用サービスというより、業務アプリをノーコード・ローコードで作成できる業務改善プラットフォームです。

顧客管理、商談管理、問い合わせ管理、日報管理などのアプリを作ることで、CRM的に利用できます。

サイボウズ公式の価格ページでは、ライトコースが1ユーザー月額1,000円、スタンダードコースが1ユーザー月額1,800円、ワイドコースが1ユーザー月額3,000円と案内されています。(業務効率化と生産性を上げるサイボウズのクラウド『kintone(キントーン)』)

Microsoft Dynamics 365 Sales

Microsoft Dynamics 365 Salesは、Microsoft 365、Outlook、Teams、Power BIなどとの連携を重視する企業に向くCRM/SFAです。

Microsoft公式ページでは、Dynamics 365 Sales Professionalがユーザー1人あたり月額9,745円相当、Sales Enterpriseが月額15,742円相当、Sales Premiumが月額22,488円相当として案内されています。(Microsoft)

VtigerCRMと主要SaaS CRMの大きな違い

VtigerCRMと主要SaaS CRMの違いは、単なる機能差ではありません。

大きく違うのは、次の5点です。

  1. 費用構造
  2. 導入方法
  3. カスタマイズ性
  4. データ管理
  5. 運用責任

それぞれ見ていきます。

違い1:費用構造

最も分かりやすい違いは、費用構造です。

Salesforce、HubSpot、Zoho CRM、kintone、Microsoft Dynamics 365 SalesなどのSaaS型CRMは、多くの場合、ユーザー数やプランに応じて月額費用が発生します。

例えば、Salesforce Starterはユーザー1人あたり月額3,000円から、kintoneはライトコースで1ユーザー月額1,000円、スタンダードコースで1ユーザー月額1,800円から案内されています。(Salesforce)

SaaS型CRMは、少人数で始める場合は導入しやすいです。
しかし、ユーザー数が増えると、月額費用も増えていきます。

一方、OSS版VtigerCRMは、SaaS型CRMのようなユーザー単位の月額ライセンス費を抑えやすい点が特徴です。
ただし、完全に無料で運用できるわけではありません。

VtigerCRMを自社環境で使う場合、以下の費用が必要になります。

  • サーバー費用
  • 初期構築費用
  • 保守・運用費用
  • セキュリティ対応費用
  • バックアップ費用
  • カスタマイズ費用
  • 導入支援費用

つまり、SaaS型CRMは「月額利用料中心」、VtigerCRMは「構築・保守・運用費用中心」と考えると分かりやすいです。

費用面での考え方

少人数ですぐに始めたい場合は、SaaS型CRMが向いています。

一方で、以下のような企業では、VtigerCRMのようなOSS CRMを検討する価値があります。

  • ユーザー数が多い
  • 今後、利用者が増える可能性がある
  • 月額費用の増加を抑えたい
  • 長期的にCRMを使いたい
  • 自社業務に合わせたCRM基盤を作りたい

CRMは一度導入すると長く使うシステムです。
したがって、初年度の費用だけでなく、3年後、5年後の総コストで比較する必要があります。


違い2:導入方法

SaaS型CRMは、契約すれば比較的すぐに使い始めることができます。

もちろん、実際に業務で使うには、項目設定、権限設定、データ移行、レポート作成、入力ルール整備などが必要です。

それでも、サーバー構築やソフトウェアのインストールは不要です。

一方、OSS版VtigerCRMは、利用環境を用意する必要があります。

具体的には、

  • サーバーの準備
  • ドメイン・SSL設定
  • データベース設定
  • VtigerCRMのインストール
  • 日本語環境の調整
  • バックアップ設定
  • セキュリティ設定
  • 初期項目・権限・ワークフロー設定

といった作業が必要になります。

この点では、SaaS型CRMの方が導入ハードルは低いです。

ただし、VtigerCRMはその分、自社に合わせた構成を作りやすいというメリットがあります。

導入方法での考え方

すぐにCRMを始めたいなら、SaaS型CRMが有利です。

一方で、以下のような場合はVtigerCRMも有力です。

  • 自社専用のCRM環境を作りたい
  • データを自社側で管理したい
  • 既存業務に合わせて細かく調整したい
  • 長期的なコストを抑えたい
  • 外部パートナーと一緒に運用する前提がある

違い3:カスタマイズ性

SaaS型CRMも、項目追加、画面設定、レポート作成、ワークフロー設定など、さまざまなカスタマイズが可能です。

SalesforceやMicrosoft Dynamics 365 Salesのような大規模CRMは、非常に高い拡張性を持っています。
kintoneも、ノーコード・ローコードで業務アプリを作れるため、業務に合わせた柔軟な構築が可能です。

一方で、SaaS型CRMでは、サービス提供側の仕様やプランによってできることが制限されます。

例えば、

  • 特定の機能は上位プランでしか使えない
  • 外部連携には追加費用が必要
  • データ構造を根本的には変えられない
  • 画面や処理の自由度に制限がある
  • 独自開発には認定パートナーや専門技術が必要

ということがあります。

VtigerCRMはOSSであるため、ソースコードや構成を調整しやすく、自社業務に合わせたカスタマイズの自由度があります。

ただし、自由度が高いことは、同時に保守責任が重くなることも意味します。

カスタマイズしすぎると、

  • バージョンアップが難しくなる
  • 不具合対応が複雑になる
  • 保守できる人が限られる
  • ドキュメントがないと引き継げない

といった問題が起きます。

カスタマイズ面での考え方

標準機能で十分なら、SaaS型CRMの方が管理しやすいです。

一方で、以下のような企業では、VtigerCRMが合う場合があります。

  • 独自の営業フローがある
  • 見積や請求との連携を細かく調整したい
  • 業界特有の顧客管理が必要
  • サポート管理と営業管理を一体化したい
  • SaaSの標準仕様に業務を合わせにくい

ただし、VtigerCRMでも、標準機能をできるだけ活かし、必要な部分だけカスタマイズすることが重要です。

違い4:データ管理

CRMには、会社にとって重要なデータが蓄積されます。

  • 顧客情報
  • 担当者情報
  • 商談履歴
  • 活動履歴
  • 問い合わせ履歴
  • 見積履歴
  • 契約情報
  • サポート履歴

SaaS型CRMでは、これらのデータはサービス提供会社のクラウド環境に保存されます。

これはメリットでもあります。

自社でサーバーを管理する必要がなく、バックアップやインフラ運用もサービス側に任せやすいからです。

一方で、自社でデータベースを直接管理するわけではないため、データの取り出し方法、バックアップ方法、解約時のデータ取得、外部連携の仕様などを事前に確認する必要があります。

VtigerCRMを自社環境に構築する場合、データベースやファイルを自社側で管理できます。

これは、データ主権を重視する企業にとってメリットです。

ただし、自社側で管理できるということは、同時に責任も発生します。

  • バックアップ
  • セキュリティ対策
  • アクセス制御
  • 障害対応
  • アップデート
  • サーバー監視

これらを自社または支援パートナーが担う必要があります。

データ管理での考え方

サーバーやセキュリティ管理を任せたいなら、SaaS型CRMが向いています。

一方で、以下を重視する企業は、VtigerCRMを検討する価値があります。

  • 顧客データを自社管理したい
  • データベースを直接管理したい
  • バックアップ方針を自社で決めたい
  • 特定SaaSへの依存を避けたい
  • 将来的な移行可能性を確保したい

違い5:運用責任

SaaS型CRMでは、システム基盤の運用はサービス提供会社が担います。

ユーザー企業は、主に以下を管理します。

  • ユーザー管理
  • 入力項目
  • 権限設定
  • レポート
  • 運用ルール
  • データ品質
  • 社内教育

一方、VtigerCRMを自社環境で運用する場合は、これに加えて、サーバーやアプリケーションの保守も必要です。

つまり、VtigerCRMは自由度が高い反面、運用体制が必要です。

社内に情報システム担当者がいない場合は、外部パートナーによる保守・運用支援が重要になります。

運用責任での考え方

SaaS型CRMは、システム運用の負担を抑えたい企業に向いています。

VtigerCRMは、外部パートナーと一緒にCRMを育てていく前提がある企業に向いています。

特に中小企業では、社内に専任担当者を置けないことも多いため、VtigerCRMを選ぶ場合は、導入後の保守・運用体制を事前に決めておく必要があります。

比較表:VtigerCRMと主要SaaS CRMの違い

比較項目VtigerCRM / OSS版SalesforceHubSpotZoho CRMkintoneDynamics 365 Sales
提供形態自社構築・自社管理が可能SaaSSaaSSaaSSaaSSaaS
費用構造ライセンス費を抑えやすいが、構築・保守費が必要ユーザー課金無料から開始可能、有料拡張低価格帯から開始可能ユーザー課金、最小契約数ありユーザー課金
導入の手軽さ構築が必要比較的始めやすい始めやすい始めやすいアプリ作成が必要Microsoft環境との相性が重要
カスタマイズ性高いが技術力が必要高いが専門性が必要標準機能中心で拡張比較的柔軟ノーコードで柔軟高機能・高拡張
データ管理自社側で管理しやすいSalesforce環境HubSpot環境Zoho環境cybozu環境Microsoft環境
運用負荷高め中程度低〜中程度低〜中程度中程度中〜高程度
向いている企業長期コスト・自由度・データ管理を重視高度な営業・マーケ統合インバウンド・マーケ重視低コストでSaaS CRMを始めたい業務アプリを柔軟に作りたいMicrosoft製品との統合重視

VtigerCRMが向いている会社

VtigerCRMは、すべての企業に最適というわけではありません。

ただし、次のような中小企業には向いています。

1. ユーザー数が多い、または増える可能性がある

SaaS型CRMでは、利用者が増えるほど月額費用が増えます。

営業担当者だけでなく、営業事務、サポート、管理部門、経営者まで利用を広げたい場合、ユーザー課金が負担になることがあります。

そのような場合、VtigerCRMのようなOSS CRMは検討する価値があります。

2. 長期的なCRMコストを抑えたい

CRMは短期間だけ使うものではありません。

3年、5年、10年と使う可能性があります。

長期的に見たとき、月額課金が固定費として積み上がることに不安がある企業は、OSS CRMも比較対象に入れるべきです。

3. 自社業務に合わせた柔軟なCRMを作りたい

業界特有の商談フロー、見積管理、問い合わせ対応、保守契約管理などがある場合、標準的なSaaS CRMでは業務に合わないことがあります。

VtigerCRMは、カスタマイズを前提に、自社業務に合わせたCRMを作りやすい選択肢です。

4. 顧客データを自社側で管理したい

顧客情報や商談情報を自社側で管理したい企業にとって、VtigerCRMは有力な選択肢です。

ただし、その分、バックアップ、セキュリティ、サーバー管理の体制は必要です。

5. ベンダーロックインを避けたい

SaaS型CRMを長く使うと、データ、業務フロー、連携、レポートがそのサービスに依存していきます。

VtigerCRMも導入支援会社への依存は発生しますが、OSSであるため、特定SaaSへの依存を抑えやすいという特徴があります。

VtigerCRMが向いていない会社

一方で、以下のような会社には、VtigerCRMよりSaaS型CRMの方が向いている場合があります。

1. とにかくすぐ使い始めたい

サーバー構築や初期設定を行わず、すぐに顧客管理を始めたい場合は、SaaS型CRMが向いています。

2. サーバー管理を一切したくない

VtigerCRMを自社環境で使う場合、サーバーやセキュリティの管理が必要です。

これを完全に避けたい場合は、SaaS型CRMの方が現実的です。

3. 標準機能だけで十分

顧客管理、商談管理、問い合わせ管理などを標準機能で十分に運用できる場合は、SaaS型CRMの方が管理しやすいことがあります。

4. 社内にも外部にも保守体制がない

VtigerCRMは、導入後の保守・運用が重要です。

社内にも外部にも対応できる体制がない場合は、無理にOSS CRMを選ぶべきではありません。

主要SaaS CRMが向いている会社

Salesforceが向いている会社

Salesforceは、次のような企業に向いています。

  • 営業組織が一定規模以上ある
  • 営業、マーケティング、サポートを統合したい
  • 高度な自動化やAI活用を進めたい
  • レポートやダッシュボードを本格活用したい
  • 専任管理者または外部パートナーを確保できる
  • CRMを経営基盤として本格運用したい

一方で、基本的な顧客管理や商談管理だけが目的の場合は、機能や運用が過剰になる可能性があります。

HubSpotが向いている会社

HubSpotは、次のような企業に向いています。

  • 無料CRMから始めたい
  • Webマーケティングやインバウンド施策を強化したい
  • 営業・マーケティング・サポートを段階的に統合したい
  • 見込み客管理やメール施策を重視したい
  • 使いやすい画面を重視したい

一方で、本格的に使う場合は、有料プランや各Hubの組み合わせによる費用を確認する必要があります。

Zoho CRMが向いている会社

Zoho CRMは、次のような企業に向いています。

  • 低コストでSaaS CRMを始めたい
  • 営業管理、顧客管理、メール、レポートを一通り使いたい
  • Zohoの他サービスも活用したい
  • 小規模から段階的に拡張したい

低価格で始めやすい一方、必要機能がどのプランに含まれるかは事前確認が必要です。

kintoneが向いている会社

kintoneは、CRM専用というより、業務アプリを自社で作るためのプラットフォームです。

次のような企業に向いています。

  • 顧客管理だけでなく、さまざまな業務アプリを作りたい
  • ノーコードで業務改善したい
  • Excel管理をアプリ化したい
  • 部門ごとに業務アプリを柔軟に作りたい
  • 日本語環境と国内サポートを重視したい

一方で、CRMとして高度な営業管理を行うには、アプリ設計やプラグイン、外部連携の検討が必要になる場合があります。

Microsoft Dynamics 365 Salesが向いている会社

Dynamics 365 Salesは、次のような企業に向いています。

  • Microsoft 365を全社で利用している
  • Outlook、Teams、Power BIとの連携を重視する
  • 営業管理とMicrosoft環境を統合したい
  • 中堅企業以上の営業組織を管理したい
  • 高度な分析やAI機能を活用したい

一方で、小規模企業が基本的な顧客管理だけを行うには、費用や運用が重くなる可能性があります。

中小企業がCRMを選ぶときの判断軸

CRM選定では、製品名ではなく、以下の判断軸で比較するべきです。

1. 何を管理したいのか

まず、CRMで何を管理したいのかを明確にします。

  • 顧客情報
  • 商談
  • 問い合わせ
  • 見積
  • 契約更新
  • サポート履歴
  • 営業活動
  • マーケティング施策

目的が曖昧なまま製品を選ぶと、機能過多や運用不全につながります。

2. 何人で使うのか

CRMの費用は、利用者数によって大きく変わります。

営業担当者だけで使うのか。
サポート部門も使うのか。
管理部門や経営層も使うのか。

ユーザー数が多い場合は、SaaS型CRMの月額課金が大きな固定費になる可能性があります。

3. 社内で運用できるか

CRMは導入して終わりではありません。

入力項目、レポート、権限、データ品質、教育、改善を継続する必要があります。

SaaS型CRMでもVtigerCRMでも、運用責任者は必要です。

4. どこまでカスタマイズが必要か

標準機能で十分なら、SaaS型CRMが向いている場合があります。

一方、自社独自の業務に合わせた細かな調整が必要なら、VtigerCRMのようなOSS CRMも選択肢になります。

5. データをどこに置きたいか

データをサービス提供会社のクラウドに置くのか。
自社側で管理するのか。

顧客情報や商談履歴をどこで管理したいかは、CRM選定の重要なポイントです。

6. 3年後・5年後の総コストはどうなるか

CRMは長期利用するシステムです。

初期費用や月額費用だけでなく、以下を含めて比較すべきです。

  • ライセンス費
  • オプション費
  • 導入支援費
  • データ移行費
  • カスタマイズ費
  • 保守費
  • 社内運用工数
  • 乗り換え時の費用

VtigerCRMとSaaS CRM、どちらが正解か

VtigerCRMとSaaS CRMのどちらが正解かは、会社によって異なります。

SaaS型CRMは、手軽に始めやすく、サーバー管理が不要で、初期導入の負担が少ない点が魅力です。

一方、VtigerCRMは、長期コスト、カスタマイズ性、データ管理、ベンダーロックイン回避を重視する企業に向いています。

つまり、判断すべきなのは、

どのCRMが有名か

ではありません。

判断すべきなのは、

自社の業務、費用感、運用体制、将来像に合っているか

です。

アイプランナーの考え方

アイプランナーは、VtigerCRMだけを一律に勧める立場ではありません。

Salesforceが適している企業もあります。
HubSpotが適している企業もあります。
Zoho CRMやkintoneが適している企業もあります。
Microsoft Dynamics 365 Salesが適している企業もあります。

一方で、中小企業がCRMを検討する際には、VtigerCRMのようなOSS CRMも比較対象に入れる価値があります。

特に、以下のような企業では、VtigerCRMを検討する意味があります。

  • CRMの月額費用を抑えたい
  • ユーザー数が増えても費用を抑えたい
  • 顧客データを自社側で管理したい
  • 自社業務に合わせたCRMを作りたい
  • 長く使えるCRM基盤を構築したい
  • ベンダーロックインを避けたい
  • Excel管理から段階的にCRMへ移行したい

アイプランナーでは、現在の業務、利用人数、必要機能、運用体制、長期コストを確認したうえで、VtigerCRM、SaaS型CRM、OSS CRMのどれが適しているかを整理します。

重要なのは、製品名ではありません。

現場が使い続けられ、経営に役立ち、長期的に無理なく運用できるCRMを選ぶことです。

まとめ:VtigerCRMとSaaS CRMは「費用」と「自由度」と「運用責任」が違う

VtigerCRMと主要SaaS CRMの違いは、単なる機能差ではありません。

大きな違いは、費用構造、導入方法、カスタマイズ性、データ管理、運用責任にあります。

SaaS型CRMは、手軽に始められ、サーバー管理が不要で、標準機能を使いやすい点が魅力です。

一方、VtigerCRMは、OSS CRMとして、ライセンス費を抑えやすく、カスタマイズ性が高く、データを自社側で管理しやすいという特徴があります。

ただし、VtigerCRMには保守・運用体制が必要です。
SaaS型CRMにも、月額費用やベンダーロックインの問題があります。

どちらが優れているかではなく、どちらが自社に合っているかです。

CRM選定では、以下を確認してください。

何を管理したいのか。
何人で使うのか。
どこまでカスタマイズが必要か。
社内で運用できるか。
データをどこに置きたいか。
3年後、5年後の総コストはどうなるか。

この視点で比較すれば、自社に合わないCRMを選ぶリスクを下げることができます。

中小企業に必要なのは、流行のCRMではありません。

現場で使われ、費用対効果が合い、長く運用できるCRMです。